「見える化」が生み出す効果

「見える化」が生み出す効果

やることを見える化する

今回は著者、親野智可等(おやのちから / 5年連続でメルマガ大賞の「教育・研究」部門賞を受賞)氏の親力をテーマに子育てに関するコラムについてを紹介させていただきます。親力で決まる子供の将来と題してコラムを書かれています。思うようにスタッフが働いてくれない、すぐに辞めてしまう、社内の雰囲気が悪い、職場のコミュニケーションなど社員教育、人材採用にお悩みの方も少なくないことでしょう。セミナーや書籍など小難しい教育論を学んでも思うようにいかない…。そんな方は、もっとシンプルに考えてみてはいかがでしょうか?子育てに関する内容で一見、ビジネスとは無関係に感じるかもしれませんが、子供も大人もその本質は変わりません。例えば、「叱るところからでなく、ほめるところから入る」というコラムがあります。ここでは内容は省略しますが、叱るときにほめるところから入る人は殆どいないのではないでしょうか?しかし(しつけたいことはほめるところから入る)これだけで叱られた側の印象、心理は大きく改善し、またその効果は叱った側にも心理的に影響があり、心のゆとりにつながり、結果的にその場の雰囲気の改善にもつながるようです。もちろん職場の人間関係ともなれば、様々な要因があり、そんな単純なものではないかもしれませんが、小難しいビジネス教育論より参考になるのではないかと考えます。
それでは本題の見える化についてですが、見える化とは「見えていないものを可視化する」という意味で、企業等でも作業の省力化、効率化として注目されてきました。「親力」で紹介されているコラムでも考え方は同様ですので、その一部を例に紹介いたします。タイトルは「やることを見える化すると叱らなくても済む。~カードで生活習慣の見える化~」夏休みの宿題をやらない子供に、口で叱るだけでなく、合理的な工夫を提案した内容です。その方法として「カードに書いて、やることを見える化する」例として、朝食の前に次の5つのことをやることになっています。「洗面・手洗い・うがい、髪をとかす、着替える、脱いだ服をたたむ、勉強の準備をする」それで、これら5つを5枚のカードに書いて、ホワイトボードに貼ってあります。そして、朝起きたらカードを見て5つのことを順番にやり、やったらカードを裏返して貼ります。カードの裏にはかわいいキャラクターの絵が描いてあります。これによって、やるべきことがはっきりします。かわいいキャラクターの絵を見られるというのも、ちょっとしたことですが、子どものやる気につながっているそうです。このカードによって、かなり自分で動けるようになったという内容です。「見える化すると自分で動ける」。 これはビジネスにおいても同様、会社、職場に応じた見える化を実施することで自身の業務の効率化、職場内の作業の把握、効率化から問題点の改善につながります。

見える化で成功した丸亀製麵

これまで男性客をターゲットにしていた印象があった うどん店のイメージでしたが、女性やファミリー層を意識した可愛らしい店名やメニューが人気となり、幅広い客層に支持され全国に勢いを増していた「はなまる」に対し、元々焼き鳥店だった丸亀製麺の運営会社トリドールは鳥インフルエンザによる業績の悪化にともない、はなまるの後追いで丸亀製麺としてうどん事業をスタート。はなまるも含め大手外食チェーン等では表立って厨房を見せることはなかったが、丸亀製麺はそのほとんどをオープンにし、各店に製麺機をお客に見えるように置き、その場で麺を打って提供していることや、厨房、職人さん料理している姿まで見えるようにするなど、見える化を徹底することで差別化し
臨場感も楽しめるスタイルで人気となり急成長。はなまるを大きく引き離しうどん業界のトップに。また見える化により、無意識のうちに安全、安心感をを与える効果にもつながっているのではないかとも考えます。もちろん、成功の理由が見える化だけではありませんが、見える化の効果、影響は大きいと考えます。視点を変えてみれば、様々なビジネスの場面でこの「見える化」がビジネスチャンスになるかもしれません。